2019-11-04

ニトリが描く2032年に中国1000店舗

 ニトリが2023年までに全世界の店舗数を3000店舗、そのうち中国について2022年までに200店舗、2032年まで増やすと発表しています。2019年2月時点で中国の店舗数は37店舗なので、かなり壮大な計画といえます。

イケアより16年遅れて中国に進出してきたわけですが、

中華圏への進出状況を見ますと、2007年に台湾進出、損益面でかなりしんどい状況が続いたものの、いまでは31店舗まで増やしています。日本がいま200店舗くらいなので、人口規模が日本の5分の1くらいの台湾でこの店舗数はまずまずといえるのではないでしょうか。

さて、また中国に戻ります。現在中国の出店地は、武漢8店舗、上海5店舗、天津・成都・蘇州が各店舗、杭州、寧波、南京、南通各2店舗、広州、深圳・仏山・常州が各1てんぽとなっています。多くがショッピングモール内への出店で、イオン、万達、凱徳(capitaland)が主な出店モールです。特にイオンは同じ日系ということもあり、現在中国にある37店舗のうち13店舗が出店しています。

 家具小売り大手はプレーヤーも限られており、ニトリは当然イケアをベンチマークにしているでしょう。イケアの進出している都市にはニトリも進出しています。南通や仏山なんかがそうですね。普通の日系小売りの出店だと優先順位が低そうな都市でありながら出店しているわけですが、出店の動きを見ますと、ニトリは中国進出後、内陸市場への進出が目立ち、上海には2017年にようやく出店しています。北京や上海といった大都市に出店して知名度を上げてから内陸に広げていくというのが良く見られるパターンですが、ニトリは逆張りをしたような感じですね。しかし実のところ、店舗数だけを見るとすでにイケアよりも多いんですよね。そこはちょっと意外に思う人も多いでしょう。店舗面積合計はイケアのほうが大きいと思いますが。

 今のところ、ニトリの中国での知名度はそれほど高いとは言えません。イケアより16年遅れて中国に進出してきたわけですからそこはいたしかたないでしょうが、イケアに頭一つ放されている印象は否めません。この現状を鑑みますと、13年後の2032年までに中国で1000店舗はかなり大きく出ているといえます。競合のイケアは2020年度にチャネル拡大、デジタル化、積極的な新業務モデルの模索のために100億元を投入するとのこと。中国家具小売りのいわば先駆者であるイケアの動きは気にせずにいられないでしょう。

 これの元記事のコメント欄を見ますと、ニトリのことをそもそも知らなかったというコメント以外はおおむね評価は高いといえます。コスパが良い、品質が良いなどなど。実際にこれが売りでもあるでしょうから、これをどこまで浸透させていけるかですね。

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