2020-07-06

上海の2019年平均賃金は9580元

 上海市統計局の発表によりますと、2019年上海市都市非私営単位就業人員の平均給与が149,377元(単純月換算12,448元)で、前年比プラス9,107元(+6.4%)、都市私営単位就業人員の平均給与が64,226元(単純月換算5,352元)、前年比プラス7,170元(+12.6%)。これらを加重平均すると、2019年の上海市都市単位就業人員の平均給与は114,962元(単純月換算9,580元)、前年比プラス9,786元(+9.3%)。単純平均月給は9,580元ですよ。もちろん、これを下回る人もたくさんいますし、上回る人もたくさんいます。しかし平均でこの上昇幅は凄い!2015年から見ていきますとこんな感じです。

2002-2019年上海市平均賃金及び伸び率

 2018年の伸び率が尋常じゃないです。2018年の平均給与は最初7,832元、その後修正が入って8,211元、またまた修正が入って8,765元となったものです。もし2018年の平均給与が7,832元のままだったらその年の伸び率は9.8%、でも2019年にその反動が来て22.3%になります。もし8,211元で収まっていれば伸び率は15.1%、2019年は16.7%の伸び率となります。これもまたちょっと激しい感じがします。2018年のことは忘れて、2019年伸び率が9.3%と理解するのが一番気が休まる気がします。

 さて、このように平均給与が上がってきているため、すでに働いている従業員に対する処遇も悩ましいですし、新たに採用を考えている場合、応募者の要求が結構高くなってきていると感じている人も多いのではないかと思います。日系企業だと日本語人材を好む傾向が多いですが、もちろん仕事能力はもっと大事です。両方備わっているのが一番いいに越したことはありません。日本語人材だと日系企業勤務経験者が相対的に大きくなりますが、過去に勤務していた日系企業でどのようなキャリアを送ってきたか、これ結構大事です。勤務していた会社がどのようにその人を育ててきたか、そのようなミッションを与え、それをこなしてきたか、このあたりを見極める必要があります。要するに年齢に見合ったキャリアを築き上げてきたか、スキルを身につけてきたかということです。よくない例としては、日本語を話せない従業員に対しては言葉が通じず伝えるのが面倒なので頼まないような小さな用事、これを日本語が通じる従業員に対してやたらと処理させてしまうような環境で育った日本語人材です。こういう小さな用事に忙殺され、本来やるべき付加価値の高い業務にあまり従事することができなかった人、人材育成という意味ではその会社は人材を育てることができなかった事例といえるでしょう。もったいないですよねえ。育てる側もこのあたり意識していけば、自社で働いている間に結構力がつくと思います。もちろん、中国人社員も日本語が話せるからと言ってそれに甘んじてしまうのはよくありません。それに甘んじている人がおれば、それを見つけ出してただすのも会社の役目。ような、日本語が話せる人材に対して付加価値の高い業務を任せることをおろそかにしてしまう、一方でそれにあまんじてしまう中国人社員、こういうことのおこらないように、社内を管理する人は気を付ける必要があるといえるでしょう。

おしまい。

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