2022-06-28

上海の住宅賃料が爆上がりしてる?

ロックダウンに苦しんだ上海。少なからざる人々が上海を離れていきました。こんな状況なので住宅賃料相場は下がっているのかと思いきや、なんと上がっているとのこと。メディア報道でも上海の賃料が爆上がりしているという記事がいくつも見られます。4,000元が4,300元に上がった、5,000元が6,000元に上げられた、13,000元が14,000元に上げられた。2年前には13,000-15,000くらいで出ていたのが今は19,000元で出ている。一方で、高額物件だと28,000元が25,000元に下がったという話もあります。実際のところどうなんでしょうか。中国房価行情というデータバンクから数字を拾ってきました。今日とった前月比の数値ということですので、たぶん4月と比べての5月の数字なのではないかと思いますが、ざっとこんな感じです。これ賃料の高い順に並んでいますが、全国都市別を見ますと、上がっている都市よりも下がっている都市のほうが多いですね。しかも上海よりも北京のほうが上昇率が高い。

上海市だけを見ると、前月比が+3.22%、前年比が+3.02%で大きく変わりません。

このグラフを見ますと、一回下がってまた上がって。通年で上がって、前月比でも上がってということですね。物件数はどうなっているのかを見ると、ロックダウン期間中の4・5月が減少しているのはわかるとして、全体的には緩やかに減ってきていることがわかりますね。物件が少ないから家賃が上がってきているということなのか?

次に、上海市内を区別で見たものです。こちらも賃料の高い順で、キリのいいところでtop10を見ることにします。下がっているところもありますが、前月比と考えれば結構な上昇幅です。しかし黄浦区は賃料がトップ、前月比上昇率もトップです。結構コロナ感染者が出て騒いだエリアのイメージがあるのですが、なかなかの上昇ぶりです。

この黄浦区だけ抜き出したデータを見てみましょう。前月比+15.18%、前年比+8.23%。最近の上がり方が激しいということですね。折れ線グラフを見るとちょうど1年前から下がり始めたのがロックダウンあたりから上昇に転換。なぜ?

そして物件数を見ると、2020年の2・3月あたりにかなり凸凹してますが、それ以外を見ると全体的にはやはり減少基調。つまり、物件が少ないから賃料が上がったということか。

上海市のグラフを見ても黄浦区のグラフを見ても、コロナが発生した2020年以降は物件数が減少基調にあることがわかります。単純に物件が少ないから値段が上がるというだけのことなのだろうか。ロックダウンによるネガティブイメージが家賃にも反映されると思っていたので、これはこれは意外な結果でありますね。

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