2020-11-16

中国新ホワイトカラーの消費観察

中国の新ホワイトカラーの生態についての記事はこちらからご覧ください。

中国新ホワイトカラーの人物像の記事はこちらからご覧ください。

1.コロナ禍前とコロナ禍後の消費の変化

 コロナ禍で消費が減少したのは旅行、外食、アパレル、これに対して消費が増加したのはわずかな増加ではありますが医美(医療美容)です。ここでいう医療美容がどの範囲までを指すのかを百度百科で調べてみたところ、「医美とは一般的に医療美容を指す。医療美容(Medical Cosmetology)とは、薬物、手術、医療機械及びその他の外傷性または不可逆性の医学技術を運用して人の容貌と人体の各部位の行う修復と形を変える美容方式のことを指す」とあり、美容整形という言葉が一番理解しやすそうです。美容整形なんて経常的に支出する項目とは思えないので、スキンケア用品などに対する支出が最も当てはまるのではないかと思うのですが、整形手術をした後も定期観察が必要になったり、定期的な手入れが必要ということで経常的な支出は発生するようです。そういえば、コロナ禍のせいでどこにも行けないので整形でもしようかなあという知り合いがいましたが、こういう心理が医美をやってみようという気にさせたのでしょう。

2.好まれる商品

 買い物をする人のタイプとして嗨購型(勢いで買ってしまうタイプ)、慎購型(慎重に購入するタイプ)、快買型(少量をさっさと購入するタイプ)の3つに分けています。購入するポイントとして高いのが価格、機能/性能、商品の見た目、これがトップ3。その次が使い慣れているブランドと続いています。価格が大きな要素なのは間違いありませんが、ブランドよりも機能/性能のほうが上回っていることから、盲目的にブランドに頼って購入するというのが減ってきていることを示すデータとして紹介されています。

3.医療美容の若年化

 また医療美容の話に戻りますが、新ホワイトカラーでフェイシャルケア、医美、そしてタトゥー(結構タトゥー比率高いです)の支出豆乳状況を見ると女性のほうが比率としては高いのですが、例えば医美に対する支出金額を見ますと女性の1,197元に対して、男性が1,131元とほぼ同じ水準となっています。女性はどんどんおしゃれになってきている一方で、男性はまだまだと感じていた人も多いでしょうが、ついに中国男性もここまで来たようです。

4.食べに行く飲食店

 左の円グラフが「前回外食した際の飲食店の種類」ですが、現地レストランがトップなのは別として、その次がチェーン店、中式ファストフードのチェーン店と続いております。

 これはまあいいとして、レストランの割引を受けるために使うチャネルというのがあり、順位として①Wechat公式アカウント/ミニプログラム、②クレジットカードのアプリ、③大衆点評、④美団と続きます。私個人の場合ですと、③、②、④、①でしょうか。Wechatで割引を使うという発想があまりありませんでした。レストランを探す場合、ほとんど③を使っていますので。③で探し当てるとたいてい割引クーポンもセットされており、その後わざわざWechatまで見に行くことはないですねえ。

5.時間つぶし

 新ホワイトカラーは時間つぶしに何をするか。男性がフィットネス/ジョギング、ケータイ、友人と会う、の順番。女性がケータイ、美容スキンケア、ピクニックの順番。そして、時間つぶしで最も使われるアプリはショートムービー、ネットショッピング、動画サイト、チャットと続きます。女性のピクニックが3番目というの以外、違和感はあまりないですね。

6.買い替える自動車

 円グラフは新しく自動車を購入する比率が44.6%、買い替える比率が39.1%、もう一台購入するというのが16.4%という比率で、クレジットカードを使っての分割払いが74.8%となっています。しかし、クレジットカードの限度額で車を買うことができるのか。普通にクレジットカードを切ってリボ払いにするケースもあるのでしょうが、クレジット会社が自動車購入のために別枠を用意することもあるようです。

そして、買い替え、もう一台購入するという人たちが選択する自動車のタイプとして新エネルギー者が53.4%と半数以上、ガソリン車が33.2%となってます。環境意識が強いからという見方もあるでしょうが、新エネルギー車を購入するほうがナンバー部レートを取得しやすいだとか、その他新エネルギー車購入を促す政策があるからだと思われます。

7.男性もクッキング

 家でご飯を作るという比率、女性が39.5%に対してなんと男性が52.7%。外食比率が男性で29.7%に対して女性が45.3%、これもイメージしていたのとは逆の結果でした。

次に、生鮮食品の購入方法ですが、5つあるチャネル(オンライン生鮮配送、社区団体購入、O2O配送、スーパー実店舗、市場)それぞれの増加率のデータが紹介されています。トップ1から3まで表現こそ違いますが、ケータイのアプリで注文することができるものです。この3つが大きく伸ばしています。逆にスーパーが▲1.6%、市場が▲9.5%となっております。コロナ禍の影響で外出を控えるようになったことが大きな要因であるといえるでしょう。

最後に交通について見ていきましょう。

8.交通ツール

 まずは左のグラフ、日常的に使用する交通ツール。地下鉄、自家用車、シェアサイクルの順番。旅行の場合、自家用車、高速鉄道、飛行機の順番。自家用車を結構活用していることが見て取れます。そして、2019年と比べて、2020年の新ホワイトカラーのお出かけ方式の増減率ですが、自家用車がなんと32.5%も増加。そしてシェアサイクル、シェア電動サイクル、ライドシェア(伸び率はわずか)と続きます。これらがプラスで、マイナスを見ますとタクシーが▲12.6%、地下鉄が▲15.4%、バスが▲24.3%。タクシーはかなりライドシェアに食われていることによる現象が多いと思いますが、地下鉄とバスの減少って要するに蜜を避ける行動そのまんまのように見えますよね。ほかの都市は知りませんが、ここ上海では公共交通機関を利用する場合、今でも全てマスク着用が求められています。心理的にはだいぶ緩んできているのですが、マスク着用に関する社会的要請というかルールですね、これはまだまだ厳しいものがあります。

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